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税務トピックス 2024月04月23日

(前編)国税庁:2022年分における相続税の申告状況を公表!

 国税庁は、2022年分における相続税の申告状況(2023年10月31日までに提出された相続税額のある申告書に基づいて集計)を公表しました。
 それによりますと、2022年中(2022年1月1日~12月31日)に亡くなった人(被相続人)は、過去最高の2021年(143万9,856人)を上回る156万9,050人となり、このうち相続税の課税対象被相続人数は、前年比12.4%増の15万858人で、課税割合は9.6%(2021年分は9.3%)となりました。
 課税割合9.6%は、前年より0.3ポイント増加し、2015年の相続税の基礎控除引下げ以降では最も高くなりました。

 また、相続財産価額から被相続人の債務や葬儀費用などを差し引き、相続開始前3年以内の生前贈与等を加算した相続税の課税価格は、20兆6,840億円で前年比11.3%増加し、税額は2兆7,989億円で同14.6%増加しました。
 被相続人1人当たりでみてみますと、課税価格が前年比0.9%減の1億3,711万円となりましたが、税額は1,855万円で同2.0%増加しました。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、令和6年2月5日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

税務トピックス 2024月04月23日

(後編)国税庁:2022年分における相続税の申告状況を公表!

(前編からのつづき)

 また、相続財産額の構成比は、「現金・預貯金等」が34.9%、「土地」が32.3%となり、「有価証券」が16.3%、退職金や生命保険などが含まれている「その他」が11.4%、「家屋」が5.1%の順となりました。
 「現金・預貯金等」の構成比は、9年前の2013年分の26.0%(3兆2,548億円)から2022年分は34.9%(7兆6,304億円)と、8.9ポイント上昇し、「有価証券」は2013年分の16.5%(2兆676億円)から2022年分は16.3%(3兆5,702億円)で推移しました。

 なお、国税庁では、あらゆる手続きが税務署に行かずにできる社会を目指し、税務行政のデジタル化を掲げてe-Taxの利用拡大に取り組んでおり、相続税申告についても、2023年度のe-Tax利用率の目標値を40%に設定して取り組んでおります。
 2022年度における相続税の申告のe-Tax利用件数は6万1千件で、前年度に比べ1万7千件(39.0%)増加し、e-Tax利用率は29.5%となり、前年度に比べて6.1ポイント上昇しております。
 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、令和6年2月5日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

コラム 2024月04月16日

《コラム》国税庁からのお知らせ 令和7年1月から控えは印なしに

◆申告書等の控えに収受日付印を押さない
 国税庁は令和6年1月4日に、令和7年1月以降は申告書等の控えに収受日付印の押捺を行わないこととする、と発表しました。対象となる「申告書等」とは、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他の書類の他、国税庁・国税局・税務署に提出される全ての文書とのことです。
 令和7年1月からの書面申告等における申告書等の送付時には、申告書等の正本(提出用)のみを提出してください、とWeb上でお願いしています。また、必要に応じて自身で控えを作成、提出年月日の記録・管理をするようにも呼びかけています。

◆申告書等の提出事実を証明する方法
 例えば個人が融資を受ける、奨学金の申請を行う、保育園の手続きする、等の際に確定申告書の控えを要求されることがあります。ただ、この控えについては「収受印があること」が控えたりうる要件であり、収受印がない控えについては、個人の収入等が証明できないため、各種手続きに利用できない可能性が大です。
 オンラインサービスを利用せず、紙媒体で効力のある収入証明を手に入れる場合には、税務署に対して「保有個人情報の開示請求」を行うか、「納税証明書の交付請求」を行う必要があります。
 個人情報の開示請求は手数料300円、納税証明書は税目ごと1年度1枚につき400円です。

◆オンラインなら無料
 e-Taxを利用した申告であれば、申告等データの送信が完了した後に、税務署からの受信通知がメッセージボックスに格納されます。ここから申告書等のPDFファイルを無料でダウンロードすることができ、こちらには受付日時等が記載されますから、旧来の控えの役割を果たすものが欲しい人はe-Taxを活用しなさいね、という風に聞こえます。
 国税庁は税務行政のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を進めているとしていて、その一環の措置とのことなのですが、便利な機能が増えて利便性が向上する方が多い一方、インターネット等のサービスを上手く使えない方にとっては不便になることは確かです。また、不便ならまだしも「手続き等ができない人」が出てきてしまわないか、少し心配になります。

コラム 2024月04月16日

《コラム》免税店制度の不正利用対策

 政府が発表した令和5年の年間訪日外客数は約2,506万人。インバウンドの回復により、観光地は外国人旅行者で賑わい、飲食店や宿泊施設にも活気が戻ってきています。旅行者の買い物には出国時、持ちだすことを条件に消費税が免税となりますが、制度の不正利用への対応が課題になっています。

◆免税店制度とは
 外国人旅行者が買い物した場合、消費税が免税となるのは、家電製品や衣料品、バッグなどの一般物品は1日当たり5千円以上、化粧品、医薬品、酒などの消耗品は、1日当たり5千円以上、50万円以下が対象になります。免税店は国の許可を受けた事業者が営むことができます。外国人旅行者は、購入の際、パスポート等を提示して短期滞在の在留資格などの確認を受けます。購入記録情報はWEBシステムを介して国税庁に送信され、出国時に税関で確認を受けます。
 事業用や販売用としての購入が見込まれないなど要件を満たしていれば、消費税を負担せずに商品を購入できます。海外では購入時に税金を支払った上で、出国時に税関で返金してもらう方式ですので、日本の免税店制度は海外より利便性が高いと言えます。

◆免税店制度の不正利用
 その一方、購入した商品が国内で転売されてしまうケースが増加しています。出国時、手許に商品がない場合、消費税を課税されるルールとなっていますが、実態は徴収できないまま、出国されてしまうことが多いようです。国税庁は不正利用防止のため、免税要件を満たさずに販売した事業者には課税処分をしています。
 そのほか、国税庁のサイトでは、事業者が化粧品を外国人観光客に販売したように装い、架空の課税仕入れと架空の免税取引を計上した事例が紹介されています。

◆税制改正で購入時に消費税徴収を検討
 令和6年度税制改正大綱では、免税店制度の不正利用を受け、商品販売時に外国人旅行者から消費税相当額を預かり、出国時、税関に持ち出しが確認されたときに返金する仕組みを検討し、令和7年度税制改正にて結論を得るとしています。
 販売現場では、外国人旅行者の買い物が免税となる要件を満たしているか、判断に難しい対応が求められており、手続きの簡素化と外国人旅行者の利便性を損なわずにインバウンド需要にこたえる制度見直しが求められています。

コラム 2024月04月9日

《コラム》固定残業代を減額する時

◆残業時間が減って固定残業代を減額したい
 働き方改革や在宅勤務などで残業時間は以前より減少傾向にあります。固定残業代を支払っている場合で残業時間の減少が続くと設定時間と実際の残業時間が合わず減額をしたいと会社側が考えた時、どのように改定をするのでしょうか。
 これまで従業員が受領できていた固定残業代の金額が減少することになりますので不利益変更にあたるのではないかという問題があります。

◆最近の裁判例では
 令和和3年に審判された事件ではみなし手当減額の有効性が問題となりました。この事件では、第一審では割増賃金は労働基準法第37条その他関係規定により定められた方法により算定された金額を下回らない限りこれをどのような方法で払おうとも自由であるとして、固定残業代の廃止や減額に労働者の同意は不要とされました。
 しかし控訴審では本件の年俸制の合意の内容はみなし手当も含めるものであった以上、みなし手当の減額は賃金規定の定めにより可能であるとして、実際には少ない時間である等の理由で会社は自由に減額できないとして違法としています。
 これはみなし手当も年俸制の一部という前提ですが、通常の月給制で残業であることが明確な固定残業代であればその削減も合法と判断される可能性はあります。

◆実際に下げるときの注意点
 実際は紛争を避けるためには給与規定等で「固定残業代」は減額もできることを定めておくことが良いでしょう。「固定残業代は年度ごとに前年度の所属事業場の全従業員の時間外労働の実績により見直す」などの定めをすることです。
 その後実際の残業時間が減少しているという実態を説明し固定残業代を減額変更することの同意を得ます。他の労働条件で改善できることがあれば提案したりしながらできる限り大勢の同意を得て減額するのが道筋です。給与辞令などを出し、確認のサインをとるのがよいでしょう。

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